税理士の将来性①

「こんなにおもしろい税理士の仕事(第三版)」より

P155から
 税理士業界は今後どうなっていくのでしょうか。
 もちろん将来のことですから誰も100%確実なことはいえませんが、
 いままでの10年とこれからの10年を比較すると、その変化のスピードは
 まったく異なってくることは間違いないでしょう。
 10年前の制度と今の制度では、今の制度の方が格段に複雑かつ高度になっており、
 また、会社法等の大型改正が多く行われ、かつ今後もこの動きがさらに加速するものと
 考えられるからです。
 平成13年の税理士法の改正によって追加された「補佐人」制度、平成18年の会社法の改正
 により追加された「会計参与」制度など、税理士が行うことができる制度がどんどん
 広がっています。これは日本の社会制度の中で税理士の必要性が高まってきていることを
 意味しています。
 これに加え、合併や会社分割などの企業再編、不良債権処理、企業再生手続き、不動産証券化、
 企業買収防衛、国際化などが活発化しています。これらのスキームはすべて税務の検討が
 なければすすめられないものばかりであり、税理士がその専門性を発揮できる場面が急増しています。
 いずれの制度もここ数年で整備されたものばかりで、
 具体的検討や適用はまさにこれからと言えます。

 最近の税制改正の動きを見ていると、従来の比較的大きな範囲での否認規定と異なり、
 各種の租税回避スキームを個別的に否認する改正が多く見受けられます。
 これは、税制改正手法が米国型にシフトしつつあることを感じさせます。
 前の方でも少し触れましたが、アメリカでは様々な租税回避スキームが開発され販売されています。
 これを封じるため、課税当局は個別取引を否認する規定をどんどん出して対応しています。
 その結果、アメリカでは税法の規定が非常に難解で、複雑なルールになってしまい、
 税務コストの上昇を招き、社会問題化してきています。
 日本でも、近年欧米からさまざまな租税回避スキームが輸入されているため、
 同様の規制が必要になっていると思われますが、税制の複雑化が今後も進んでいくと考えられます。
・・・

 先日パナマ文書の話を書いたような気がします。
 決して、脱税ではなく、租税回避である、と。
 そして、企業の経営者として利益を最大化することも使命のひとつである以上、
 税金を圧縮することで利益を確保することはなんら問題はないと思われることを。
 そして、節税のための節税はだめであり、
 企業の経済活動の一連の流れの中で、
 必要かつ十分な対策としての手段であるなり、結果として税が節約されるものであることを。

 税理士の業務が広がって複雑化してきていることは間違いないんだろうなぁと思います。
 結局、パソコンやインターネットで業務の効率化がすすむはずが、
 税制、法律の複雑化でそれが妨げられ、
 むしろそれら通信インフラの発達が、複雑化を加速させ、コストを増大させている。
 そんな状況だからこそ、税理士先生が明るい未来を描くには、
 新しい情報に常に早期にフィットしていくことが大切なんだろうと思います。
 どんな業界でも同じかもしれませんが。
 そんな税理士先生とお会いできるのは、数多くお会いできること。
 それはこのポータルを運営している楽しみの一つでもあります。
 
 つづく・・・

平成28年6月5日 Zissen